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Mavic mini2が発表!でも飛びつく前にこれを

もくじ

 ❚Mavic mini2は墜落し難くなったのか

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画像情報元:

https://www.dji.com/jp/mini-2

 

ドローン業界に革命をもたらしたMavic miniに後継機であるMavic mini2が発表されました。

前作同様、重量199gで国内航空法対象外。重要文化財や人が密集する地域、空港近辺などを除いて基本的には国への事前申請の必要なく、気軽に飛行させる事が可能な機体となっています。

 

航空法対象外となるトイドローン枠扱いのドローンとしては革命的な飛行性能・動画撮影能力を備えて登場した前作Mavic miniですが、蓋を開けてみると確かに他を圧倒する性能を備えてはいましたが、電波障害や強風の影響などによって墜落報告が相次ぎました。

 

ユーザーからの情報公開によってMavic miniは電波が途切れやすく、風に弱く、バッテリーも思った以上に持ちが悪い事が判明しました。

toyotakyusyu.hatenablog.com

 

ドローン市場は現在DJIがほぼ独占状態となっており、市販されているドローンの中では他を寄せ付けない飛行安定性、高度な動画撮影能力を誇っています。

しかし軽量なトイドローン扱いであるMavic miniは、上位機種であるMavicシリーズと同じような飛行が可能かと言うと答えは完全にNOです。

 

あくまで近距離、低高度、風が弱い晴天の日など、幾つかの条件が整った際に少しだけドローン撮影をおもちゃ感覚で楽しめる機体だという認識を持たないと痛い目を見る事でしょう。

 

❚Mavic mini2はどこが進化したのか

前作初代Mavic miniとの性能比較をドロネクさんが詳しくご紹介されておられます。

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画像情報元:

DJIがMavic miniの後継機「DJI Mini 2」を発表 | ドローンネクスト

 

まずは動画撮影能力につきまして。

初代miniの2.7Kまでの動画撮影から、mini2では4K撮影が行なえるようになっています。

カメラのセンサーサイズは同じ。mini2では新たに4倍までのズーム撮影が可能となっています。

 

正直、せっかく広範囲の空撮をしているのにわざわざズームする必要があるのか?と思ってしまうのですが...。

また、新たにRAWフォーマットでの写真撮影が可能となっている様子なので、細かい部分の写真編集を行われたい方にはうれしい進化だと言えるでしょう。

 

 

そして最も気になるのが飛行性能面の進化です。

ガンガン墜落報告がUPされた初代Mavic miniから安定飛行性能はどのくらい向上したのか。それでは公表されているスペックから進化ポイントを見て行きましょう。

 

・耐風性能

初代miniの耐風性能は3.4~5.4m/s。あれ?...公式HPでは最大8m/sとなっていたはずなんだけどな...。 風は常に状況が変化しますし、飛行後の高度や場所などによっても風の強さや動きは異なります。

 

基本的に少し強いくらいの風が吹いている時にminiを飛行させてしまうと、墜落のリスクが高くなると考えておいて間違いありません。

 

対してmini2の耐風性能は8~10.7m/s。公式では風速29~38km/hまで耐える事が可能とされていますが、恐らくそんな事はないと思います。

公表値を鵜呑みにしてガンガン飛ばしていると墜落やロストのリスクはかなり高くなると思います。

 

重量も初代と同じ199gですし、飛行設計は進化され、上位機種のair2などと同等とされていますが、油断は禁物でしょう。

 

 

・電波の安定度は?

電波が途切れやすいと言われていた初代miniの通信方式である拡張WiFiから、mini2は上位機種で採用されているOcuSinc2.0に変更されました。

 

OcuSync方式の電波安定性は定評があり、飛行性能の向上と合わせてHD最大動画伝送距離が2→6Kmにまで伸びました。

 

伝送距離が伸び、電波安定性が高まった事でより遠くまで飛ばせる様になった訳なのですが、危惧している点が。

 

miniは元々下方向にしか衝突回避センサーが付いてません。

前後左右、上方向にセンサーがないのはmini2も同様で、目視出来ない距離でドローン周辺の障害物などを回避しながら飛行させるには相当なドローン操縦技術と、慎重な飛行が求められます。

 

上位機種であるAir2などの飛行性能は定評があり、強風の影響や電波干渉による墜落報告はあまり見受けられませんが、飛行中に障害物に接触して墜落したという報告は数多く上がっています。

 

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画像情報元:

https://www.youtube.com/results?search_query=mavic+air2+%E5%A2%9C%E8%90%BD

 

軽量で風に流されやすい事が想定されるmini2。安定飛行はできても、風に流されて障害物に接触→墜落は十分に考えられます。

 

何より前後左右にセンサーがない事で、死角に人がいた場合に人と接触なんて事になると大事件になってしまいます。

コスト的にセンサー追加を省いたのだろうと思いますが、どうにも自己中なアップグレード内容に好感が持てないのですね。

 

❚航空法改正によってminiも航空法対象になってしまう可能性

ドローンの性能向上に併せて次々に改定される航空法。現在199g以下のドローンは航空法対象外となっていますが、2020年6月に行われた参議院国土交通委員会において国務大臣が

 

200g未満のものも含めて、屋外を安定的に飛行できると認められる機体を対象とするように検討を進めている

 

と発言されています。

 

これは正にヒット商品となった中国発のMavic miniを狙い撃ちしたような法改正案と考えられていて、もし今後法改正により、200g未満のドローンも航空法対象とされてしまった場合、miniであっても事前のフライト許可を国土交通省に求めなければならなくなる可能性や、ドローンを操縦させる為の免許を取得しなければならなくなるかも知れない状況になってきました。

 

これは国の中国製ドローン排除の一貫という噂もあり、一般のドローン市場がDji独占状態となっている事に対する対策や、中国製品を介したスパイ・工作行為に対する警戒とも噂されている様です。

 

Djiは確かに素晴らしい性能を誇る魅力的な製品が多いのですが、国内では考えられないようなずさんなサポート体制であったり、製品の不具合、欠陥を認めないといった悪質な一面があるのも事実です。

 

新型コロナの問題や、領土、人権問題など、様々な問題を巻き起こしている中国といかに付き合って行くべきか。

日本のみならず、世界各国は中国の動きに警戒感を強めている事でしょうね。

 

❚結局、Mavic mini2の購入は見送ります

動画性能、飛行性能の向上は喜ばしい事なのですが、価格面では1万円以上も値上げが行われ、安全性的に衝突センサー追加がされなかった事などから、mini2の購入はスルーする事に致しました。

 

というかまず国内において、例え航空法対象外となるトイドローン枠の機体であろうとも、飛行させるには相当な配慮を考える事になるんですよね。

 

なるべく人から離れた場所で、可能な限り目視可能な範囲で、天候や風に注意しつつ、電波干渉に注意しつつ。

人から見える距離で飛行させれば、「あ、ドローンだ!」などと注目も集めてしまい、飛行させづらい環境が多々ありますし、飛行させる前の下準備も時間がかかります。

とてもじゃないけどいつでも、どこでも、気軽にフライト!なんて状況は国内ではありません。

 

つまりドローンも所有していても、飛ばす機会があまりないと言う訳なのです。

 

なので比較的安定飛行が可能で、2.7Kのこう画質動画撮影が行え、例えロストしたとしても4万円程度で再購入可能な初代miniで十分なのですよ。一般人にはね。

 

友人はやたら上位機種や、高性能カメラや高価なレンズなどを勧めてきますが、人それぞれ利用用途やシーンは異なるもので、万人に当てはめるべき事ではありません。

 

最近の製品は低価格であっても割と高性能な製品も増えて来てますし、自分に合った製品で楽しめればいいですね。