とよブロ

自動車業界経験情報誌/バイク/仕事/人生観

タクトアップ

もくじ

❚タクトとは何ぞや?

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自動車業界でよく使われる「タクトタイム」という専門用語。業界で言うタクトとは1台の車が生産工程の中で流れる時間(スピード)の事をさしています。

 

このタクトタイムは生産状況に応じて上下する訳なのですが、タクトアップすると生産スピードが上がる事になるので比例して仕事がキツくなる訳なんですよね。大体タクトアップが行われる時期は顧客の注文に対して生産が追い付いていない場合や、当初計画していた生産台数を下回っている時なんかに行われるのですが、トヨタ九州でもタクトアップが行われる予定となっています。

 

それだけトヨタ九州で生産している車が売れているという事になりますのでうれしい限りなのですが、タクトアップによって仕事は更にキツくなるので体力との闘いが始まるという訳です。

 

それぞれの自動車工場や時期などによってタクトタイムは異なっているのですが、大体どの自動車会社でも平均して約1分前後で車が生産されています。たったの1分で1台の車が造られているなんて!と業界知識のない方からすると驚かれるかも知れませんが、車を生産する為の各工程を何百人という人数と専用の機械が流れ作業で分担して行っている事によってこれが実現されているんですね。

 

❚ダイハツ勤務時代のタクトタイムは鬼だった

管理人はこれまでにダイハツ九州、広島マツダ、トヨタ九州と3社の自動車工場を経験してきたのですが、中でもダイハツ九州の繁忙期のタクトタイムはかなりヤバかったです。

 

丁度その時期は新車種であるウェイクの立ち上げ時期でして、そこから立て続けに新車種が出始め、ウェイク→キャスト→新型イース(もう1車種あった様な...)の順で新車種の立ち上げ生産に尽力してきました。

 

この時期はとてつもなく忙しく、1台の車が生産されるスピードは1分を大幅に切っていました。あまりにも早すぎるタクトタイムであった為、身体を壊す人、いきなり退職する人なんかが続出。新人なんて工場配置初日の1ラウンド目で疲労骨折してリタイアなんてのも日常茶飯事だったので感覚がマヒしてしまっていまして、特にその頃は驚きもしませんでしたね。

 

今となってはよく生きてたな...と思いますがw

 

その頃は毎日栄養ドリンクを3本飲み、骨盤矯正ベルトなどのダメージガードパーツを身に纏い、バンテリンや薬を常備し、例え作業中に出血しても休まず止まらず、熱中症で倒れても回復後には即座に作業を再開するといったあり得ない状況で踏ん張って戦っていました。

退職後の同僚の話によると、現在はそこそこ落ち着いているみたいです。

 

自動車業界の仕事はキツいキツいとよく言われていますが、それは時期によっって異なったり、工程によっては比較的ラクな工程もあります。しかし総合的に見るとやはりキツい部類の仕事に位置する事はまず間違いないでしょうね。

 

とにかく身体と精神力が資本のガテン系のお仕事ですので、健康面には十分に注意しながら明日からも頑張っていきたいと思います!