もくじ
❚paypay改悪により、キャッシュレス市場シェア後退か
インターネット行動ログによるマーケティング調査、コンサルティングサービスを提供するVALUESが調査した2019年9-10月の主要決済アプリ日時起動ログからは、QRコード決済サービスの火付け役となったpaypayが他決済サービスと比較しても頭一つ抜き出ている結果となった様子。
画像情報元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000082.000007396.html
paypayサービス開始時に行った100億円還元キャンペーンなど、魅力的なキャンペーンを次々に行った事がキャッシュレスサービスの急拡大に繋がり、今や一般消費者の間にも広く浸透する決済サービスとなりました。
この衝撃は大きかった様で、paypayを利用しているユーザーはどんどん増え、他社が後に続々とQRコード決済サービス開始を展開する状況にあって尚、paypayは他サービスを抑え圧倒的なシャア率を誇っている様です。
そんなpaypay圧勝なキャッシュレス決済市場において、paypayの勢いに陰りが出てしまうかも知れないサービス内容変更のお知らせがアプリ内にて公表されました。
❚paypay通常利用時1.5%還元→0.5%還元に?
3月1日よりpaypay利用特典規約の変更のお知らせが。
その内容は通常利用時の還元率を前月のpaypay利用状況によって次月の還元率を変動させるという内容。
うは...LINE Payとほぼ同じ内容に改悪か...。
現時点まではpaypay通常利用時、paypay残高もしくはヤフーカードで支払った場合の還元率が1.5%だったけれど、4月からは前月のpaypayの利用状況によって還元率が異なりますよと...。
これまで通り1.5%を適用させる為には2つの条件があって
①前月の100円以上の決済回数50回以上/月
②前月の決済金額10万円以上/月
上記2つの条件をクリアして初めて現状維持が出来るという内容です...。
2つとも条件クリア出来なければ0.5%の還元率。
1つ条件をクリアする毎に+0.5%。
どちらの条件も結構クリアするのが難しい内容です...。
仮に0.5%の還元率となった場合、例えば200円の買い物をpaypayで決済した場合の還元額は
200円×0.5%=1円
うわっ...これってQRコード決済サービスが登場する以前まで一般的に広く利用されていたnanacoカードやpontaカードなどのポイントカードの還元率と同じぢゃん...。
せっかくバーコード読み込むだけでスピーディーかつ便利に支払えるQRコード決済が浸透してきたのに、これでは未だに現金決済やポイントカード決済を行っている消費者層を新たに取り込んでいく事が難しくなる。
現金なんてかさばるし、紛失のリスクもある、手が汚れる、支払い時間が長い事でレジが混雑するなど、キャッシュレス決済と比べてデメリットが多過ぎると個人的には思ってます。
しかも海外の多くの国では既にキャッシュレス決済が広く浸透しており、中国なんて人民元自体を全てデジタル人民元として新たな通貨を生み出そうと大きな動きをしている。それに危機感を感じてアメリカなども電子通貨技術の研究や開発に着手し始めている。
日本は先進国でありながら海外諸国の動向に大きく出遅れている感が否めないし、なんだかいつも何か事が起こってから後手後手で後出し対応みたいな出来事が多い気がします。ここ数年で経済大国として一気に失墜してしまいそうな感じもしてちょっと怖いですね。
❚4月よりpaypay利用特典規約改悪によって各社との比較はどうなる?
各サービス共に期間限定のキャンペーンなどを行っている場合があり、還元率はその時期ごとに変動しますが、ここでは通常利用時の還元率で比較して見たいと思います。
通常利用時の還元率が最も高いのはLINE Payとなりますが、LINE Payの還元率は前月のLINE Payによる利用額によって決定されますので常時2%が適用される訳ではありません。
LINE Payの還元率は前月の利用額によって変動しますので、最大還元率の2%を適用させるにはひと月に10万円以上、LINE Payで決済をいなくてはなりません。
LINE Pay還元対象となる品目や対象店舗などの観点から考えても、ちょっと2%適用条件クリアするのは難しい内容だと思います。
となると、現状で次に還元率の高いのは常時1.5%還元であるpaypayとスマートパス会員限定還元率となりますがau PAYの2つ。しかし、4月からpaypayはLINE PAYと同じように、利用条件によって還元率が変動する内容に改悪されてしまうので、条件を1つもクリア出来なかった場合は0.5%が通常利用時の還元率となります。
こうなってくると他QRコード決済サービスと還元率の差はほぼなく、利用額を1つに集中させるならLINE PAYを使い続けた方が還元率は高くなる可能性の方が高いです。
しかし、LINE PAYでは一部の品目でポイント還元対象外とある場合がある様子。公式アナウンスでのポイント還元対象外となる品目は、お酒・タバコ・金券などの一部商品・処方箋薬品・金融商品・介護施設・動物病院・役所・役場・海外店舗・税金の請求書払い・その他などなど。
ポイント還元項目にほぼ制限のないpaypayに比べて、対象外となる項目がかなり多いLINE PAY。しかし一部の情報ではLINE PAYでお酒やタバコを購入した場合でも、現時点では還元されているという情報などもあり、グレーな状況となっている様子です。
100億円還元キャンペーンで急拡大したpaypayは段階的に還元内容を縮小して勢いを失い、現在加熱しているau PAY毎週10億円あげちゃうキャンペーンも、期間終了後は恐らく一気に下火になると予想。各社キャッシュレスサービスに纏わる大々的な還元キャンペーンを段階的に落ち着かせていっている状況な中、今後はどの様な展開になるのか。
仮にポイントカード利用時と同還元率となったとしても、スマホひとつでアッという間に手軽に決済が出来るQRコード決済やおサイフケータイアプリの決済の方が利便性が高いので、管理人はキャッシュレスを基軸に使い続けますけどね。