とよブロ

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富士通の大規模リストラはかつてのリーマンショック時を思い出す

もくじ

❚5000人規模の配置転換という名目の大規模リストラ

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先日、富士通の大規模リストラが実行されるというニュースが飛び込んできましたね。上記は公式でアナウンスされた詳細内容となりますが、特にに④の項目の内容がエゲツないです。

 

45歳以上の全従業員が実質的なリストラ対象って...。仕事が板についてバリバリ働いている年代の人に、これまでとは全く異なる職務に配置転換する条件を飲むか、飲めなければ自主退社を促すと言う内容ですね。

 

思えば管理人が東京在住時代、大手家電メーカーであるパイオニアに努めていた時も同じ様に大規模リストラが実行されました。当時はリーマンショック時期でして、早期退職や強制退職を含めて全世界で20,000人規模の大規模なリストラが行われました。これは当時のパイオニア全従業員の約半数に及ぶ人数でした。

 

当時管理人はパイオニアのグループ会社であるパイオニアマーケティング株式会社に努めていまして、首都圏トップエリート営業集団に属していました。しかしこの大規模リストラが実行された時、グループ会社の社長にまでも早期退職の勧告が言い渡され、社内は大混乱。

 

連日の様にニュースでよく目にしていた会社の前で強制解雇反対の旗を掲げて訴える人々を目にしながら、退職までの期間は部長や課長、管理職を含めた全従業員がひとり、またひとりと転職活動を行いつつ退職していく日々。何が起きているのか当時は理解する事も出来ず、ただ茫然としながら毎日出社していました。

 

思えば家電量販店で派遣社員として販売職に努めていた頃、上長から進められて大手家電メーカーのトップエリート営業集団の仲間入りを果たす事ができ、年収1,000万円クラスの収入が見込めると期待に胸を躍らせていた時期に突然起きた悪夢の様な出来事でした。

 

退職後は恐らく当時は軽い鬱状態となっていて、約6か月の間は他の仕事に就く事も出来ず、失業手当の給付を得ながら日々を悶々と過ごしていました。

 

❚とっくの昔に会社が生活を保障してくれる様な時代は終わっている事を自覚すべき

昭和初期頃までの時代は、大手大企業の社員でさえいれば生涯安泰。盤石の人生設計というのも出来たのかも知れません。しかし現代においては例え現時点で業績が極めていい大企業の正社員や管理職であっても、近い将来に突然強制解雇される、突然倒産してしまう可能性というのはどこの企業でもあり得る話だと思っています。

 

事実、リーマンショック時期は管理人が勤めていたパイオニアを含め、他の大手家電メーカーであるシャープ、東芝、ソニーなども危機的状況に陥り、大規模なリストラを余儀なくされています。

 

現在管理人は自動車業界最大手であるトヨタグループに努めていますが、トヨタに属していれば生涯安泰などとは全く思っていません。むしろ毎日危機感を感じながら何か他に出来る事はないか、他の収入源をどうやって作っていくかなど、そんな事ばかり考えながら日々を戦っています。

 

企業のいいなりになって会社の犬になる事に全力を尽くしても、状況次第で即刻切られてしまう可能性だってあるのです。となると、あくまで企業が求める職務を最低限こなし、それはあくまで生活をして行く為の手段のひとつとして捉え、平行して他のスキルを磨くなり、他の収入源の確保に努めるべきだと感じます。

 

この辺りの感性は外国の人の方が圧倒的に優れていると思っていて、現に彼等は常に貪欲に日々どうやって収入を確保していくかを考え、素早く行動し、それを実現しながら生活しています。

 

そうやって貪欲に収入を求め続けていく事でスキルは磨かれ、思考は高速化し、生き抜いていく力も養われる。外国人との歴然としたスキルの差は現時点でも多くの事から見て取れますね。スマホ産業なんて国内企業でまともに勝負出来ているのはソニーくらいなもんです。スマホ業界をけん引している企業のほとんどが海外企業です。

 

我々がいかに世界に対して総合的に後れを取っているかがよく分かる構図です。しかしこれには国の情勢も大きく関わっているのではないかと思うのです。

 

❚日本人はそもそも目先の仕事に追われ過ぎている

世界各国と比較しても日本という国の労働時間は極めて長く、休日も圧倒的に少ないです。日々与えられた職務を同じルーティーンの中でこなし続けなければならない状況が多方面で散見され、1日の間で自由に使える時間が限りなく少ない。

 

日々同じ事しか出来ない状況下にあるので、新しい事を取り入れる時間を確保する事が極めて困難で、この状況によって思考も行動も狭くなり、学習の場を失う。極めて悪循環ですね。

 

今現在進められている働き方改革。働き方改革という大きなテーマを掲げるのならば、まずは海外の動向をじっくりと分析し、どうして彼等は短期間に急速な成長を実現出来ているのかを学ぼうとすべきです。

 

他の国はどういった生活環境なのか、国としてのサポート体制などはどうなっているのか、国はどの方向に力を注ごうとしているのか、それらを実現する為の施策はどの様になっているのか。

 

この程度の事を恐らく日本と言う国を現在回している官僚達は考え抜けていないのではないのかと思っています。プロファイリングから学べと言いたいですね。まともな答弁すら出来ない政治家などが溢れかえっている状況ですから、そりゃ若い世代も国に興味を示すはずがありません。

 

今回の富士通の大規模リストラもそうですが、パイオニアのリストラの時も大して仕事も出来ない様な上役などが残留を決めていました。その人選で会社の未来は切り開けるのかと思っていた人は少ないと思います。ですが、会社の決定事項に個人は逆らえませんので、優秀な人材はいち早く見切りを付け、早期に転職活動を行っていましたね。

 

これから先の時代は間違いなくAI技術や機械工学技術の発展により、多くの業界で順次リストラが実施されていく事が予想されます。今の内から先々起こり得る危機的状況を考え、今自分に何が出来るのか、これから先何が必要となってくるのかを考えながら、スピード感を持って日々を過ごして行きたいと思います。