もくじ
❚派遣会社の正社員は派遣社員に比べて不遇?
これは九州地区に限った事ではないと思いますが、派遣会社の正社員として契約をした場合と、派遣社員として契約した場合とでは、各種待遇に様々な差が設けられています。
特に注視したい点はやはり給与面。多くの派遣会社では派遣契約よりも正社員契約の場合の方が収入が少なくなるように設定されている事が多いです。ざっくりと待遇比較をすると
◆給与
・正社員 →月給制(会社都合でない自己都合休暇の場合は減給対象になる)
・派遣社員→時給制(基本的に働いた分のみ支給対象)
※基本給計算すると、派遣社員の基本給の方が高い場合が多い。
◆ボーナス等の手当て
・正社員 →多くが年2回の支給だが、派遣正社員の場合のボーナスは一般企業の3~4分の1程度の支給の場合が多い。(1万~多くても30万程度の場合が多い)
・派遣社員→基本的には支給なし(入社祝金として最初だけ高額支給がある)
◆社員寮
・正社員 →寮費補助がある場合があるが、一定期間を過ぎると補助がなくなる場合がある。
・派遣社員→出向先に勤務している間は無料で利用出来る場合が多い。
◆契約期間
・正社員 →基本的には無期雇用契約。
・派遣社員→3ヵ月毎の契約更新を設けている場合が多く、労働法で最大2年11ヵ月で契約満了となる場合がある。
正社員契約の場合、昇給などが条件に記載されている場合がありますが、派遣会社の正社員の場合の昇給はあっても微々たるものである場合がほとんどです。しかし、基本的には無期雇用契約となりますので、長く出向先で働きたい場合は正社員契約も考慮する余地があると思います。
派遣社員の場合の最大のデメリットは、契約期間に定めがあるという点。収入面では正社員契約と比較して多くなる事が多いのですが、現在の派遣法では最大でも同じ会社に出向出来る期間は2年11ヵ月までと定められており、それを過ぎると別の出向先への勤務を強いられる事になります。
ただ、これには一部例外もありまして、ダイハツ九州の場合などは2年11ヵ月経過後、継続勤務を希望する人に対しては約1週間程の待機期間後に再契約し、これまでと同じ職場、同じ仕事に復帰出来るようになっていました。
トヨタ九州の場合は情報では6ヵ月間の待機期間が生じるという話がありますので、基本的には約3年の間に出向元であるトヨタ九州で正社員登用試験に合格するか、派遣会社の正社員として契約変更をしない限り、期間満了で打ち切りとなる事が考えられます。
❚派遣会社は常々募集契約条件を変える!
派遣会社の利益は出向先に派遣した登録社員の給与の一部から得られています。出向先企業との契約内容にもよって異なると思いますが、派遣社員を出向先に紹介した時に発生する紹介料、出向先企業から派遣社員へ支給される給与の一部を天引きし、企業利益として会社運営をしています。
全ては出向先から支払われるお金によって、派遣会社が派遣社員へ支給する金額が決まってきますので、タイミングによっては支給内容が増減したりするんですね。
例えばこんな事があります。
Aさんが入社した時に支払われた入社祝金は50万円でした。
3ヵ月後に入社してきたBさんが入社時に支払われた入社祝い金は70万円でした。
後から入ってきた後輩のBさんの方が、祝い金を多く貰っている!なんて事は結構頻繁に起こります。入社するタイミングは結構重要なんですよね。
過去に体験した悪質な派遣会社だと、正社員契約で給与は月給制でしたが、何年も後に入ってきた何も出来ない完全未経験の新入社員の方が、固定基本給が高い!なんて事もありました。
一般的な企業の様に、契約時に個々のスキル、経験に応じて基本給が異なるのは理解出来るのですが、派遣会社の正社員というのは基本的に何のスキルも経験もなくても正社員契約を結ぶ事が出来る場合がほとんど。ならば長年現場経験がある人の基本給が段階的に上がっていき、完全未経験の新入社員の入社時の基本給を上回っていないとおかしな話になる訳なのです。
勿論、抗議しましたが、状況は何も変わらず。挙句の果てに有給休暇を1日たりとも取らせないという姿勢が何年も続いていましたので、専門機関に相談し、最終的には労働基準監督所から企業への指導を行って頂いて、有給を確保する事が出来ました。
この様に、かなり悪質な派遣会社も多く存在していますので、派遣会社と契約する場合は契約書類の内容を熟読し、必ず契約書を保管し、場合によっては会社とのやり取りの全てを記録(ボイスレコーダーを用いて音声記録など)しておいた方が、トラブルが生じた際に話が進めやすくなります。
メールなどのやり取りがあれば、それらも記録・保管しておく事をおすすめしますよ!